熊本地震で避難生活を強いられているすべての妊婦さん、産後の方、お子さん連れの方、そして、子育て家族をサポートされているみなさんへ

熊本地震で辛く苦しい生活を強いられている方々のことを考え、一日も早く安心してお過ごしになれるようお祈りしています。

 

「母子を守るためにできる10のステップ」は、私が東日本大震災のときに被災地の方々から学んだこと、避難している妊婦さんや赤ちゃんをケアする中で感じたこと、経験したことを活かして作りました。

妊婦さんや産後の方、赤ちゃんやお子さんをお持ちの方には、表面には見えない悩みや不安、健康問題がたくさんあります。

今、この地域の未来を支える若い家族を支えることが、災害後の地域づくりに繋がります。

 

【妊婦さん、そしてお母さんたちへ】

みなさんの健康と幸せが、お子さんとご家族の幸せの源です。そして、地域の宝物です。

辛い中、本当によく頑張っていらっしゃると思います。

私は、皆さんが、自分を二の次にしてほかの人のお世話役に回っているのではないかと気にかけています。

どうぞ、胸を張って、出来る範囲で休養と栄養を取り、支援を受けてください。

私も、辛い状況に心を痛めながら、皆さんが少しでも楽な状態になれるように祈っています。

 

【被災地で、妊産婦さんや小さなお子さんを抱えるご家族を機にかけて下さる支援者の皆さんへ】

少子高齢化社会の中では妊産婦さんや赤ちゃん子どもを連れたご家庭がマイノリティで、見過ごされがちですが、本当に大事な存在に気づいて下さって、ありがとうございます。

東日本大震災では

「妊婦さんや赤ちゃんのケアが必要だと思っていたけれど、何をしたらよいのかがどこにも書かれておらず、どうしていいか分からなかった」

と悩む現地の被災者の方々、サポーターの方々に、多く出会いました。

以下の情報が参考になれば嬉しいです。

 

国立保健医療科学院 産婦人科医師

吉田 穂波

  *この内容は、以下の助成金を頂いて調査したものです。 厚生労働科学研究費補助金(健康安全・危機管理対策総合研究事業)「妊産婦・乳幼児を中心とした災害時要援護者の福祉避難所運営を含めた地域連携防災システム開発に関する研究 」報告書(研究代表者:吉田穂波、平成25~27年度) https://cloud.niph.go.jp/s/fd/3qT3Q2HAX1BI11SqfHiP

 

妊婦さんが体調トラブルを我慢してはいけない理由とは

2016/04/22 Update

災害から1週間、そろそろ張りつめていた気持ちが、疲れや焦りに変わってくる頃かもしれません。

災害に合って辛く不自由な生活をされている妊婦さん、産後の方、赤ちゃんを育てていらっしゃる方は、これからポツポツと体調不良が出てくることが、過去の災害の調査研究から分かっています。

 

東日本大震災の避難所で巡回健診をしていた際、

「夜中、すぐに起きてしまうんです」

「トイレが近くて」

 「固い床で寝ているので、腰が痛くて」

という妊婦さんに出会いました。妊婦さんは、お腹が出ているため、腰椎が前に反っていて腰痛を起こしやすいのです。

普通なら、

⇒寝るときには、ひざを曲げて寝ましょう

⇒四つん這いになって腰を曲げ伸ばしする運動をしましょう

とアドバイスするのですが、避難所生活では、なかなか思うような運動が出来ません。

ただでさえ、夜中は眠れないという方には、湿布薬や痛み止めをお勧めします。

 

避難所では

「体が痒いんです」

「なかなかお風呂に入れないから・・・」

「アトピーはないはずなんですけれど」

という方も多く見られます。

⇒妊娠中の皮膚トラブル、痒みの好発部位は、おなか、ひじの内側、乳頭周囲、妊娠線周囲です。

保湿剤(白色ワセリン、ヒルドイドローションなど)、抗ヒスタミン剤(レスタミン軟膏)外用を処方してもらうのが一般的ですが、中にはPUPPP(pruritic urticarial papules and plaques of pregnancy)と呼ばれる比較的症状の激しいものもあります。

このような場合や、痒くて眠れない場合はステロイド外用薬を塗って早めに治すと、皮膚の色素沈着を起こさずに済みます。

 

ほか、カンジダ膣炎や膀胱炎も、避難生活のストレスで症状が悪化することが分かっています。

 

東日本大震災では、

「妊娠は病気じゃないから」

「こんなことで相談していいのかな」

「聞いてもどうせ、妊婦さんには薬が使えない、と言われてしまうのでは」

と、体調トラブルを我慢して3週間も4週間も避難所生活をしている妊婦さんたちに、たくさんお会いしました。

 

妊娠中は、災害でなくても気分の落ち込みやむくみ、だるさなど、体調の変化が見られます。それぞれは小さなことであるように思えますが、これは言ってみれば妊娠に伴う合併症で、我慢すれば済むというものではありません。

また、頑張りすぎている災害後だからこそ、このような小さな悩みが大きな心の負担になることがあります。小さくて誰にも言えないようなことほど、エネルギーを消耗するのです。

そして、お母さんがハッピーでなければ、おなかの中の赤ちゃんはハッピーになれません。

 

思い切って、避難されているエリアの医療従事者に話を聞いてみてください。

体調不良で悩む妊婦さんに相談されたら、誰でも喜んで力になってくれると思います。

 

参考資料:

東日本大震災が妊婦さんに与えた影響については、下記の27ページから。

お母さんたちの声を集めた記事は33ページから。

https://cloud.niph.go.jp/s/fd/3dUnWjTXGcWHHKissIzC

 

妊婦さんたちが、辛いのは自分だけじゃなかったんだ、と思い、少しでも快調を取り戻す行動を起こしていただけると嬉しいです。

被災地支援から日常を考える

2016/04/21 Update

 

被災地のために、募金をし、物資を送り、現地で役立つ情報を集め・・・心ここにあらず、という毎日の中、ふと気づいたことがありました。私の身近にいる人たちに、同じくらい心を込めて、優しさを表現してあげていたかな、と。怪我をした友だちにお見舞いのはがきを書くこと。「あの資料、役に立つと思うから送るね」と何気なく言ったくせに、まだ果たしていない約束。子どもとの休日の計画。

辛く不安な気持ちを抱えた熊本の方々に注ぐのと同じくらいの優しさや行動力を、家族や友達にも、向けよう。

普通のありがたみや小さな幸せを教えてもらえた被災地の方々に、心を込めて募金をするだけでなく、ご近所さんにも、笑顔とあいさつを贈ろう。

誰でもできることを、誰にも負けないくらい一生懸命、続けていこうと思ったことでした。

 

何も支援出来ていない・・・現地に入ってお手伝いできる人はいいなぁ、と思っている方。

もしかしたら、今、この瞬間、目の前の誰かを助けてあげることが出来るかもしれません。

 

日経BP ecomom 「東日本大震災から5年目の今年、再びママの防災を考える」

http://business.nikkeibp.co.jp/atclmom/column/15/053100001/010500056/

【東日本大震災の支援時の体験から:発災後数日間~数週間で見られる母子のお悩み相談】

2016/04/18 Update

【東日本大震災の支援時の体験から:発災後数日間で見られる母子のお悩み相談】

①「オムツなどが届くようになり、物資は足りてきた、でも、何日もお風呂に入れない、ベビーのおむつかぶれが心配・・・」という方へ

⇒沐浴の指導を受け、赤ちゃんは毎日お風呂で全身隅々まできちんと洗うべき、という習慣がついているお母さん・お父さんには、自由にお風呂に入れない状況が、物足りなく、心配なことでしょう。

今出来ることとしては、おむつ替えの時におしり拭きで拭いた後、油分(保湿クリーム、サラダオイルでもなんでも)をお肌に塗ってあげて湿度を保つこと、時々、十分でもオムツを外して外気浴をすることなどが挙げられます。どれも、無理のない範囲で構いません。

皮膚の発赤やかゆみ、かぶれ症状が見られたら、救護所、医療班によっては保湿剤やワセリン等の外用薬を常備しているところもありますので問い合わせてみましょう。

 

②「母乳なのに食料が足りず、お腹がすいている、栄養が足りているかどうか心配・・・」

「妊娠中に偏った食事をしてしまい、赤ちゃんへの影響が心配・・・」という方へ

⇒避難されている施設では、避難生活をしている人すべてに同じ量の食糧を配布するというルールが根強いかもしれません。しかし、医学的には、妊婦さんや授乳されている方の健康上、普段の生活よりも多いカロリー(200-500kcal前後)が必要、というのが鉄則です。

言い出しにくいかと思いますが、勇気を出して、この地域のために、復興のために、地域を愛する元気な子どもたちが育つように、と話し、妊婦さん、授乳婦さんにはおにぎりやパンを一個余分に配るようにしてもらうといいのではないでしょうか。

分かっていても言い出しにくい・・・という方は、炊き出しや食料配布の際、妊婦さんや授乳婦さんの栄養補給がとても重要であることを示す下記のパンフレットを見せて力になってもらうといいかもしれません。妊娠期及び授乳期の食生活は、お母さんだけでなく赤ちゃんの人生において、もっとも初期の段階で身体を作る重要な要素です。地域の希望の星である妊婦さん、そして赤ちゃんに、十分ではなくても出来る限りの栄養と愛情がいきわたるようにと願っています。

「食品添加物の多い食べ物ばかりで心配」、という方は、食品添加物は食品衛生法上の安全性が確保されているので食べても大丈夫(参考情報3)、と割り切り、カロリー接種を優先していただく方がいいようです。

参考)

1.厚生労働省「妊産婦のための食事バランスガイド」

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3b02.pdf

2.(独)国立健康・栄養研究所 情報センター「妊娠中の食事とサプリメントについて」

https://hfnet.nih.go.jp/usr/kiso/pamphlet/pregnant.pdf

3.(独)国立健康・栄養研究所「妊娠中の食事とサプリメントについて」

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail1550.html

 

 

熊本地震のために~母子を守るためにできる10のステップ

現地の母子が救われるために、被災していない私たちがどう動けば良いのか、また、現地の皆さんがどうすればよいのか~これまでの災害から明らかになったステップ~をまとめました。

 

ステップ①~⑤【被災している妊産婦さんや赤ちゃん連れのご家族へ】

長期的な避難生活が予想されますので、今から出来ることとして、以下の5つを知っておくと役に立ちます。

 

①災害時の妊産婦、乳幼児に多くみられる症状

②災害時の過ごし方

③栄養の摂り方

④病気の予防

⑤自分自身のケア

 

以下、順に詳しく見ていきましょう。

 

 

災害時の妊産婦に多くみられる症状

今だけは、特別な配慮をしてもらうのは申し訳ないという遠慮を捨て、「いつもとは違う」サインを感じたらすぐに避難所のリーダー、あるいは医療班の方に申し出てください。

<災害時に妊産婦さんに多くみられる症状 ベスト10>

(平成23年度厚生労働科学研究費補助金「地域における周産期医療システムの充実と医療資源の適正配置に関する研究」平成23年度研究成果報告書より)

     切迫流産、切迫早産の兆候(腹部鈍痛、出血、腰痛など)

     不安やストレスを強く感じる

     便秘

     不眠

     アレルギー症状(くしゃみ、喉の違和感、目のかゆみ、肌のかゆみなど)

     むくみ(特に下半身や膝から下の部分)

     風邪(咳、喉の痛み、発熱など)

     皮膚炎(かゆみ、湿疹、赤み)

     頭痛、めまい

     胸やけ、胃もたれ、食欲不振

<災害時の赤ちゃん・幼児に多くみられる症状 ベスト5>

     ぜんそく 

     風邪、インフルエンザ

     下痢症

     皮膚炎、かゆみ、湿疹など

     いつもより泣かない、あるいはいつも以上に泣く、など

<要注意!体調悪化のサイン>

・こういう症状があったら、遠慮せずに医療班に申し出ましょう。

http://www.bousai.go.jp/kaigirep/kentokai/hinanzyokakuho/wg_situ/pdf/dai3kaisankou4.pdf
妊産婦さん(防災ノートより)

     腹部の痛み

     腹緊・陣痛

     破水・破水感

     性器出血

     胎動消失・減少

     高血圧

     むくみ、めまい

    発熱

 

赤ちゃん・乳幼児

     発熱(38℃以上)

     けいれん

     吐く

    

     下痢

 

 災害時の過ごし方

私がリラックスする方法・リフレッシュできる方法:無理をせず、今の自分でできることを探してみましょう。

子どもを守りたいという気持ちから、自分の想像以上のストレスがかかっていることも。子どもにしっかり寄り添うためにも、自分自身もケアすることが大切です。

http://www.bousai.go.jp/kaigirep/kentokai/hinanzyokakuho/wg_situ/pdf/dai3kaisankou3.pdf

 

③ 食事・栄養の摂り方について

妊産婦さん:十分な栄養がとれないため、口内炎などになりやすくなります。サプリメントでの補給が出来ない場合は歯を磨き、口の中を清潔に保ちましょう。

非常用の食事は、塩分が高めです。選択できるときは、塩分が少ないものを選ぶようにしましょう。

 

赤ちゃん:災害時には母乳が最適な栄養源となります。一時的に出にくくなっていても、継続させることが大切です。リラックスして授乳するようにしましょう。

離乳食がない場合、離乳を始めたばかりであれば母乳や粉ミルクで栄養をまかなうようにします。

 

以下、独立行政法人 国立健康・栄養研究所の資料「3.赤ちゃん、妊婦・授乳婦リーフレット」から抜粋した、妊産婦さん、乳児をお持ちのお母さんのための栄養アドバイスです。

http://www.dietitian.or.jp/assets/data/learn/marterial/h23evacuation3a.pdf

 

(1)頑張り過ぎない!

困ったことは何でも医療スタッフに相談しましょう。

母乳の継続、食器や哺乳瓶の消毒、自分や子どもの栄養バランスなど思った通りに行かないことだらけです。困ったこと、わからないことがあったら声を出しま しょう。話すだけで気が楽になり、気持ちが整理できることがあります。栄養面と緊急性、必要性を天秤にかけて、そのときでベストを尽くしたら良い、こうい うときだから仕方がない、と思えるよう、神経質になっている母親の気持ちを周りがほぐしてあげましょう。

 

(2)取れるときに水分を

十分な飲み物が得られなかったり、トイレに行く回数を減らしたり、節約するために水分を控えたりしがちですが、通常の成人よりも水分が必要な状態では、優先的に水分を確保し、こまめに飲むことが大切です。

 

(3)食べられるチャンスに少しでも

食事の回数や一回あたりの食事量が限られたり、食欲がないこともあります。食べられるときに食べられる物を食べましょう。

 

(4)ビタミン不足はこのようにして補給

パンよりはおにぎりにし、おにぎりでも、出来るだけ野菜の入っているものを摂りましょう。果実ジュースや栄養強化食品、栄養ドリンク、ゼリー飲料などもビタミン源となります。

 

(5)離乳食は固定観念にとらわれないで

塩味を薄くしたおみそ汁の中にご飯を入れ、柔らかくして食べさせたり、野菜をよく煮たものをつぶして与えることもできます。牛乳や卵はアレルギーのもとに なると聞いて与えないよう気をつけているお母さんもいますが、赤ちゃんは私たちが考えているよりも強い生き物。その場で手に入る食材をあげましょう。

 

④ 病気の予防について

・災害時はストレスにより、ふだんよりも血圧が上昇し、妊娠高血圧症候群になりやすいため、寒さをさけ、十分な水分摂取をして、十分に足を伸ばして横になれる場所を確保してもらうことも重要です。また血栓症(エコノミー症候群)もおこしやすいため、こまめに水分をとり体を動かすことも大切です。

・妊娠合併症:妊娠期・出産・産後は平時でも精神的な変化の大きい時期だと言えます。その上に被災のショックが重なることで、強い恐怖感や落ち込み、うつ症状を伴うこともあります。子どもを励まそうとするあまり、自分の気持ちを押し込めてしまわず、信頼できる人と話をできる機会を作りましょう。

・赤ちゃん返りや夜泣き、乱暴な言動等、災害時に見られる子どもの”異常な行動”は、”非常時における正常な行動”です。大きく受け止め、しっかりと抱きしめてあげてください。同じ話を何度も繰り返したり、災害を再現する”地震ごっこ””津波ごっこ”の遊びをするのは、子どもが子どもなりに災害を受け止め、体験を消化するために必要なプロセスだと言われています。温かく見守りましょう。また、子どもも親を気遣います。平気そうに見える子どもほど、ケアが大切です。

 

⑤ 自分自身のケア

つわり症状や食事の変化により虫歯や歯肉炎などにかかりやすくなります。時間のある時に歯磨きを。

疲れやすく、長時間立ったり、重いものを持つことが難しくなります。炊き出しの列に並ぶ、水汲みをするなどの肉体労働は出来るだけ周囲の人の力を借りましょう。

快く受け入れてもらえる頼み方のボキャブラリーはこちらから:

http://www.bousai.go.jp/kaigirep/kentokai/hinanzyokakuho/wg_situ/pdf/dai3kaisankou5.pdf

尿漏れ・痔などの排泄トラブルが起こることもありますので、水分や栄養・食物繊維を可能な範囲で摂るよう心がけましょう。

ストレスは妊娠中の健康トラブルの元です。出来るだけ横になり、水分を多く摂るようにしましょう。

お腹が大きくなることで体のバランスが変化し、転倒しやすいので、重いものを持っている時や階段の上り下りでは、ゆっくりゆっくり一歩ずつ歩くようにしましょう。

 

ステップ⑥【被災地外から支援したい方々へ】

1)  身の回りで妊産婦さんや赤ちゃんを見かけたら、いつも気にかける、笑顔を向ける、それだけでも十分です。

2)  仲間とネットワークを作り、いつでも動けるように仲間を集めておくようにしましょう。きっとそのうち、ちょうどいいタイミングでお役目が回ってきます。

3)  被災されている妊産婦さんに応援メッセージを送る方法や上記の健康情報を届ける方法を考えてみましょう。

4)  何も出来なくてもどかしい、歯がゆい、という気持ちを書き留め、自分が力になりたいのはどういうことなのか、自分にできることは何なのか、どんな気持ちを伝えたいのか、を考えてみましょう。そして、自分や周りの家族、友人たちに優しくすることも忘れずに

5)  物資を送る場合は仕分けの手間を省くために一つの段ボールに一種類の物を入れて段ボールの表に物資の名前を大きく書くようにしましょう。

 

ステップ⑦【被災自治体・支援者の方へ】

1)避難所の中で配慮が必要な人を確認する方法があります。

避難所が開設される時にアセスメントを行い、毎日更新できると、避難所を閉鎖する時、避難している方々が仮設住宅に移る時の判断に役立ちます。

同じ避難生活でも、より大きなダメージが出る可能性がある人には、居場所、温かさ、栄養、水分に関して、より踏み込んだサポートが必要です。

*避難所アセスメント・シート⇒各避難所で毎日記録をし、自治体や救護班と共有することで、急病人、急な搬送要請を未然に防ぐことが出来ます。

http://honami-yoshida.jimdo.com/app/download/9664509079/%E9%81%BF%E9%9B%A3%E6%89%80%E6%AF%8D%E5%AD%90%E4%BF%9D%E5%81%A5%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E7%A5%A8.pdf?t=1432209331

 

妊産婦さんのリスクを判断するためのチェックシート

http://honami-yoshida.jimdo.com/app/download/9664509179/%E6%AF%8D%E5%AD%90%E9%81%BF%E9%9B%A3%E6%89%80%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%28%E5%A6%8A%E5%A9%A6%29.pdf?t=1432209331


2)自主サポートグループ作りを応援

避難されている妊産婦さんたちや子連れのお母さんたちに声をかけ、母親学級などの同じ仲間の集いを企画してもらいましょう。その際は自治体も応援することを伝えましょう。


3)乳幼児や障害を持つ子どもを抱える母親にはできるだけ専用スペースを設けると良いことが分かっています。
特に妊婦や産後間もなくの新生児を抱える母親、障がいを抱える母子の専用のスペースを確保すると、同じ境遇にある仲間同士の安心感が得られます。中には家族と離れることで精神的な不安を覚え、専用室を望まない母親もいました。状況を判断したうえで、可能であれば家族ごとに個室を与えるなど、柔軟な姿勢で。

また、母子の拠点を作り、物資や情報を集約するスペースがあると、誰もが物資や情報を取りに来られます。避難所にいなくても物資だけは受け取れるような「援護所」が必要です。

 

ステップ⑧【医療従事者向け】

1)妊婦さんの診察に活用できる母子避難所チェックリストです。

http://honami-yoshida.jimdo.com/app/download/9664509179/%E6%AF%8D%E5%AD%90%E9%81%BF%E9%9B%A3%E6%89%80%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%28%E5%A6%8A%E5%A9%A6%29.pdf?t=1432209331

 

2)避難所、在宅避難を問わず、妊産婦や乳幼児を連れた人のリストを作り、助産師、産婦人科医、小児科医の巡回診療を行う体制を作ると、長期化する避難生活における妊産婦さんへの対応がスムーズになります。

<妊産婦初期対応問診票>

http://honami-yoshida.jimdo.com/app/download/9664508979/%E5%A6%8A%E5%A9%A6%E5%88%9D%E6%9C%9F%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E5%95%8F%E8%A8%BA%E7%A5%A8%EF%BC%88%E6%AF%8D%E5%AD%90%E6%95%91%E8%AD%B7%E6%89%80%E7%94%A8%EF%BC%89.pdf?t=1432209331

 

3)妊産婦、乳幼児の診察について、妊産婦にも使えるお薬についての研修スライドです。

日頃産科や小児科の診療に慣れていない医療従事者の方の参考になります。
(1)災害時の妊産婦診察
https://cloud.niph.go.jp/s/fd/DHxmWz821jiI013ap0uY
(2)災害時の婦人科診察
https://cloud.niph.go.jp/s/fd/gwWKa2215hXSbJjDAaBZ

 

4) 支援に行ってくださってありがとうございます。どうぞ、支援する側のためのストレスケアも忘れずに。

災害時こころの情報支援センター

災害救援者メンタルヘルス・マニュアル

http://saigai-kokoro.ncnp.go.jp/document/medical_personnel02_4.html

災害と精神保健医療 e-ラーニングサイト

http://kocoro-support.jp/ncnp/desc.php?category_no=19

 

ステップ⑨【被災地外から保健師さんを派遣される自治体の方向け】

1)熊本地震における避難所支援にかかる帳票様式が改訂されました。「避難所避難者の状況」では妊産婦や乳幼児を把握する項目もあります。

http://www.nacphn.jp/02/saigai.html

 

2)「大災害と親子のこころのケア-保健活動ロードマップ」利活用に関する手引書 

大災害と親子のこころのケア-保健活動ロードマップは、平成27年3月、厚生労働科学研究費補助金研究 地域医療基盤開発推進研究事業(国立高度専門医療研究センターによる東日本大震災からの医療の復興に資する研究)「被災後の子どものこころの支援に関する研究(代表研究者:五十嵐隆、分担研究者:中板育美)」によって作成されました。

https://cloud.niph.go.jp/s/fd/aRx5JWYN2DyT0LWpqtvk

 

ねらい:本書は、震災後対応に迫られる保健師の皆さんに、コミュニティ形成や生活支援をしつつ、保健師の視点で先の見通しを立てられるようにと平成27年に作成されました。震災を経験した子どもや親のメンタルヘルスを守ることは、被災地及び日本全体の将来を左右する重要なテーマです。東日本大震災等多くの震災から得られた教訓が、被災地支援にあたる保健師の皆さんの参考資料に、そして判断基準になれば幸いです。

 

ロードマップの概要:災害後のフェーズによって変化する母子の生活環境が示されています。ここでは、災害から約1か月経ったころから必要とされる保健師活動のポイントについてまとめました。

 

ページ 要点

5-6 災害後のフェーズによって変化する母子の生活環境が示されています。

    災害後、日が経つにつれて表出する問題、増加してくる課題が俯瞰できます。

17-18 上記5-6ページ目のロードマップと対応させ、フェーズに合わせて求められる6つのポイントを頭に入れて

    おくと良いでしょう。

10 乳幼児健診の早期再開の重要性:健診という普通の事業だからこそ、子育て環境の変化に伴い不安を抱える

    親が足を運びやすいという接近性があります。

15 支援者が言ってはいけない類の言葉がありますので、注意が必要です。

24 車上生活の母子への対応、仮設住宅生活への対応等、母子自身にも大きなストレスにさらされているという

    自覚がないことを前提に支援をする必要があります。また、ここには派遣保健師と支援保健師との連携方法

    についてのヒントが書かれています。

31 医療に繋ぐタイミングについての記載と、見本となる問診票が載っています。

42 被災地内の保健師も、派遣で支援に入った保健師も、メンタルヘルスの問題がのちのち浮上してくることが

    あります。一人で抱え込まない、チームで対応するなど、お互いにサポートし合える環境作りのためにも

    「受援力」が必要です。

 

パンフレット掲載URL:

国立保健医療科学院健康危機管理支援ライブラリー

http://h-crisis.niph.go.jp/?p=75940

「母子支援」のカテゴリー

http://www.bousai.go.jp/kaigirep/kentokai/hinanzyokakuho/wg_situ/pdf/dai3kaisankou3.pdf

平成27年度厚生労働科学研究費「妊産婦・乳幼児を中心とした災害時要援護者の福祉避難所運営を含めた地域連携防災システム開発に関する研究」(研究代表者:吉田穂波)平成27年度総合・総括報告書

https://cloud.niph.go.jp/fileshare/download?file=3qT3Q2HAX1BI11SqfHiP

災害時母子救護 研修資料

 

https://cloud.niph.go.jp/s/fd/AkmjdXjvjt0FawG7Ea69

 

 

ステップ⑩【被災地で活動されるボランティア向け】

1)赤ちゃん連れの親御さんは、多大なストレスがあっても自覚しづらく、また、目が回るほど忙しいこともあって自分たちの症状を言い出せないことがほとんどです。

避難生活が長引くと、こんな症状が出やすいようですよ、と声をかけ、下記の「現在の症状(乳児用)」「現在の自覚症状(妊婦用)」に当てはまるものがないかどうか、見てもらいましょう。早めに対処すれば軽いうちに手当てできるものがほとんどです。

 

*この内容は、以下の助成金を頂いて調査したものです。

 

厚生労働科学研究費補助金(健康安全・危機管理対策総合研究事業)「妊産婦・乳幼児を中心とした災害時要援護者の福祉避難所運営を含めた地域連携防災システム開発に関する研究 」報告書(研究代表者:吉田穂波、平成25〜27年度) https://cloud.niph.go.jp/fileshare/download?file=3qT3Q2HAX1BI11SqfHiP

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TED×Haneda

助け合いが産みだす新しい変化、成長、繋がりが、あなたのチャレンジを可能にする! | 吉田 穂波 

吉田 穂波からのメッセージ

産婦人科医として働きながら、ハーバード公衆衛生大学院に留学もしながら、五人の子を産み育てる中で、母親がハッピーであることがとても大事だと痛感しています。

自分が支えてもらった分、母親が満たされ、子どもに愛情を注ぐことが出来るように応援したいという気持ちが強くなりました。

 

第一子を出産したドイツのフランクフルトで感じたこと。日本では「胎児中心」「病気がないか見張る」タイプの妊婦健診でしたが、ドイツでは「お母さん中心」「日常生活を豊かに過ごす」こと重視の妊婦健診で、母体への気遣いやいたわりが嬉しかったものです。

「お母さんがハッピーなら、赤ちゃんもハッピーなのよ!」

と、母親を安心させ、自分が楽しむことを肯定してくれたのがとても印象に残っています。

 

(参考)ドイツでの妊娠・出産について

  >>CRN【産科医の海外留学・出産・子育て記】第1回 ドイツでの出産と子育て経験

 

留学中は国際機関への就職を視野に入れてキャリア・ビジョンを描いていましたが、震災後は日本のために尽くそうと、臨床医からパブリックセクターへの転職をいたしました。

現在、厚労省のシンクタンク&研修組織にて、公共政策研究およびヘルス・プロモーションの職に就いていますが、競争原理が格差を産むアメリカで暮らした経験から、保育園整備、長時間勤務の抑制、男女ともに家族を大事に出来る働き方、女性医師へのメンタリングシステムなど、子どもや働く親の心の余裕を生む制度作りをしたいと思っています。

医師、研究者、一人の母親として、保健医療分野での女性活用、子育て&仕事の継続などに打ち込み、自分を実験台にして限界に挑戦しています。

 

  (参考)

  >>Newsweek「子連れハーバード留学」で見つけた両立の極意

 

私が子どもから教えてもらったこと、子どものおかげで得た人との出会い、体験させてもらったこと、それを独り占めしているのはもったいない、と思い、積極的にシェアしようと考えて作ったのが、このウェブサイトです。

 

自分をどうしたらもっと多くの人のために活かせるか

どうしたらもっと人の役に立てるか

10年後、100年後、1000年後の子どもたちのために、何を遺せるか

いつもいつも考えていますので、どうぞご意見やアドバイスなど、よろしくお願いいたします。

読んで下さっている皆さんとは、同じように人生の様々な要素を味わい、試行錯誤しながら取り組んでいる仲間として、お互いの考えや学んだことをシェアし合い、いろんな視点を持ち寄ることで、お互いがパワーアップできることがあると思います。

色んな立場で考え、支え合えるネットワークづくりを楽しみにしています。

 

2014年3月

吉田  穂波